精神生理性不眠症とは?
精神生理性不眠症という言葉をご存知でしょうか?この精神生理性不眠症というのは、不眠症の症状の一つです。心配ごとや不安があったり、騒音が気になったりして不眠症に陥ってしまうことは、珍しいことではありません。しかし、こういった要因がきっかけで、不眠の原因が解決した後でも、眠れなくなってしまう状態が慢性化してしまうのがこの病気なのです。不眠に加えて、日中には倦怠感や頭痛などと言った症状がでます。そして、この症状を改善するために、「何とか眠らないと」と焦ってしまって、ますます眠れなくなると言う悪循環に陥ってしまうこともあります。
精神生理性不眠症の見分け方は?
精神生理性不眠症の見分け方は、まず不眠症の症状が1ヶ月以上つづいているか。また、睡眠に対して、深い不安などを持っている人。例えば、「今日も寝られなかったらどうしよう」、「明日、眠る時間が来るのが怖い」と言ったような恐怖感があったり、また布団に入ると身体に緊張を感じてしまうと言った部分で見分けることができます。精神の緊張状態が原因になり、生理学的に自分の身体や脳へ影響を与えて不眠症に陥ってしまうのが、この精神生理性不眠症の特徴です。そのため、こういった症状に心当たりがある人は精神生理性不眠症の疑いがあるようです。
精神生理性不眠症のメカニズム
精神生理性不眠症は、神経質な人や完ぺき主義者のような性格をしている人に起こりやすいと言われています。しかし、この症状が起きてしまっている人も、最初から睡眠に対して不安や恐怖といった感情をもっているというわけではありません。眠りに対して恐怖を抱く、ということは何がしかの理由があるはずなのです。
例えば、一年に一度の大事な試験の前日、重要なプレゼンの前夜といったとき、誰しも緊張して眠れなかったりしますよね。これは、いわゆる一過性の入眠障害であって、通常の場合は、緊張している物事が終わったりすれば元通り、眠れるようになります。
しかし、例えば試験に落ちてしまったり、プレゼンを大失敗してしまった、と言ったときに「昨日、ちゃんと眠れなかったから失敗してしまった」と眠りに対して、矛先を向けてしまう場合があります。そして、これによって精神的な不安や緊張の原因が睡眠のせいである、という思い込みが一人歩きをし始めてしまい、常に睡眠に対して不安が付きまとうようになります。これが、精神生理性不眠症の主なメカニズムとなります。
分かりやすくいえば、精神生理性不眠症は睡眠に対してのある種の不安や、強迫観念を抱くことによって発症してしまいます。
解消方法は?
精神生理性不眠症になると、常日頃から寝ることに対して不安を感じてしまう状態になります。そのため、通常ならばリラックスできるはずの寝室などが「眠れないのに眠らなくてはいけない辛い場所」というイメージになってしまいます。しかし、こういったことから逆に旅行先や、友人の家ではそういった辛い場所で眠る必要がないので意外にも、すぐに寝られたりする場合もあるそうです。
精神面で影響の大きい精神生理性不眠症の治療は、認知行動治療という治療法が有効なんだそうです。この認知行動治療とは、認知、ものの受け取り方、考え方に対して働きかけを行って、気持ちを楽にすると言う精神療法の一種です。精神生理性不眠症の症状が出ている人の場合、睡眠に対する認知というのが、間違った方向に向いています。そのため、この認知に働きかける、認知行動療法によって眠れないことに対して抱いている不安、恐怖、強迫観念に対して、適切なアプローチをしていくことが大切になります。
具体的にはこの認知行動治療で精神生理性不眠症を改善していく場合は、睡眠衛生教育によって、睡眠への適切な知識指導や、睡眠日誌をつけるなどの行動実験を行います。そうすることで、自分自身が抱いている睡眠の主観と、客観的な睡眠について比較したりしていきます。
有効的な治療方法を
「眠らなければ」と不安を抱くことはとても辛いことです。不眠症でない人にとっても、眠りたいのに眠れない、という状態は精神的にもきついものがあります。それが慢性的に続いてしまう場合、自分がどのような不眠症の症状を抱えているかをしっかりと見極めて、有効的な治療方を探していきたいですね。
出典:
http://www.kaimin.info/part/topics/01/to07.html
http://www.ncnp.go.jp/cbt/about.html