ダイエットをすると不眠症になる!?
ダイエットと睡眠には、意外にも深いつながりがあるのがご存知でしょうか?無理なダイエットは睡眠の質を悪くしてしまい、不眠症の原因になってしまうことがあるんだそうです。だけど、どうしてダイエットをすることが不眠症に繋がってしまうのでしょうか。今回はダイエットと睡眠の関係について調べてみました。
空腹で目が冴えるのはホルモンに関係がある
ダイエットで食事制限をしていると、「夜中にお腹が減ってなかなか寝付けない」という経験を誰しも、一度は経験したことがあるのではないでしょうか。実はこの空腹時に眠気がこないのは、「オレオキシン」というホルモンが影響しているからなのです。
このオレオキシンというホルモンは、覚醒ホルモンと呼ばれているもので、その名のとおり人間の意識を覚醒させるためのものです。大昔、人間がまだ狩猟生活をしていたころ。空腹というのは、命に関わるものでした。そのため、空腹のとき脳内にこのオレオキシンが分泌されることで、人間は眠気を退けて狩りをしていたのです。
この本能がまだ残っているため、ダイエットで食事制限をして、空腹の状態でいると覚醒ホルモンであるオレオキシンが分泌されて、目が冴えた状態になってしまうのです。オレオキシンは睡眠覚醒のスイッチングの役割を担っています。そのため、空腹を察知すると活発に働いて、覚醒しやすくなってしまいます。そのため、もし寝付けたとしてもすぐに起きてしまうような状態にもなるのです。
ダイエットでセロトニン不足になっている
セロトニンとは脳内神経伝達物質のひとつです。このセロトニンはイライラや不安と言ったものを抑えてくれるという重要な役割を持っています。セロトニンが不足してしまうと、人は自分のストレスをうまくコントロールできなくなってしまいます。そして、寝る前にも精神的に興奮状態が続いてしまい、交感神経のスイッチが入ってしまいます。この交感神経とは、人が活発なときに働いている神経です。本来、寝る前には精神をリラックスさせるための神経である副交感神経が優位に働いているのが理想的です。しかし、セロトニン不足で交感神経が活発なので、リラックスすることが出来ずに寝つきが悪かったり、眠りが浅くなってしまったりするわけですね。
このセロトニンを効果的に増やす方法が食事なのです。食事は、セロトニンを作り出すトリプトファンを直接摂取できるまたとない機会です。トリプトファン自体は特に珍しい栄養素というわけではなく、様々な食材に含まれています。しかし、ダイエットで食事制限をしていると、相対的に食べる食材の種類も量も少なくなってしまいますよね。そのため、結果的にセロトニンが不足してしまい、イライラしてしまって中々寝付けなくなってしまいます。
セロトニン不足は悪循環を呼び込む
さらに、セロトニン不足によって寝不足になっている場合、もう一つ寝られない原因があります。それは睡眠ホルモンと呼ばれる、寝るのを促すホルモンであるメラトニン不足です。この睡眠ホルモンであるメラトニンは、昼間はほとんど分泌されず、夜になると脳内から分泌が始まって睡眠を促します。しかし、このメラトニンが作られるための材料が前述にもあるセロトニンなのです。そのため、セロトニン不足の人は必然的に、メラトニンの生成が妨げられて、余計に眠れない体質になってしまっています。
運動のしすぎにも注意
また、体重を落としたいからたくさん動こう!と気合を入れすぎて、運動をしすぎている場合も注意が必要です。睡眠前の適度な運動は、体深部の体温低下を助長して、睡眠を促してくれます。しかし、昼間に過剰に運動したり寝る前の激しい運動は、睡眠にとっては逆効果になってしまいます。
無理せずゆっくり寝ましょう
無理なダイエットは眠りにとっても悪影響であることが分かりました。とくに極端な食事制限をすることは、ダイエットをするうえでも体に悪影響がでてしまいますし、眠りの質も落としてしまいます。これでは、百害あって一利なしですよね。「ダイエットで痩せたい!」という気持ちも分かりますが、健康を損なってしまっては本末転倒です。バランスの良い食事を摂るようにして、体に無理が出ないように。そしてぐっすりと眠れるように、ダイエットはしていきたいですね。
出典:
http://nice-senior.com/tips/5104/