人は昼寝をするようにできている
昼食を食べ終わった後、ついどうにも眠くなる経験はありませんか?
これは、もともと人間に組み込まれているサイクルの一つで、本来1時から2時ごろにかけては眠るように本能づけられているとの事。
人の本能に基づいた行為なのですから、この行動にメリットが隠されているのです。
昼寝に隠された驚きの効果
はたして昼寝をすることにどのようなメリットがあるのでしょうか?
1・疲労回復に大きな効果
昼寝の質は、夜に熟睡しているのと同じ効果があるとされています。
その疲労回復効果は、通常の睡眠に比べて約3倍。
ちょっと大げさに聞こえるかもしれませんが、昼寝の経験者は目覚めた時の爽快感を身を持って体験している事でしょう。
2・睡眠は記憶力を高める
アメリカの大学の研究によれば、英語で暮らす大学生を『昼寝をするグループ』と『昼寝をしないグループ』の2つに分け、両方に漢字のリストを渡してどれだけ覚えられるか、という実験をしました。
結果は昼寝をしたグループが正しい解答を行う確率が高かったそうです。
睡眠中、脳は情報を整理しています。おそらく昼寝にも同様の効果があったのでしょう。
またある学習塾では、昼寝を取り入れる事で、塾全体の成績を上げる事にも成功したという事例が報告されています。
3・眠気対策にはコーヒーよりも効果的
コーヒーに含まれているカフェインには覚醒効果があるのはよく知られています。
しかしカフェインは、エネルギーを回復しているのではなく、眠くならないようにしているだけ。
疲れている体にカフェインをとっても期待通りの効果を得ることは難しいでしょう。
しかも徐々に耐性がついていきますので、日常的にコーヒーを飲んでいる人はカフェインも効かなくなってしまいます。
その点、昼寝は短時間で失ったエネルギーを回復させます。
もちろん睡眠耐性などというものはRPGのステータスのようなものは存在しません。
むしろ習慣化する事で、より質の高い昼寝を行えるようになるのです。
4・心臓病のリスク低下
日本人の死因で多いとされてるのが、癌、脳卒中、心臓病の3つ。
昼寝をすることでこの心臓病のリスクが低下するという検証結果が、ギリシャのアテネ医科大学やハーバード大学医学部において報告されています。
5・ストレス解消
午前中の仕事に集中した脳はフル回転しており、疲労が蓄積しています。
その時に、昼寝によって外部の情報をシャットアウトする事で、脳はようやく休憩することが出来ます。
午前と午後の間に、区切りをつける事で脳はリフレッシュされます。
効果的な昼寝の方法
いかがでしょうか、これだけの効果をもたらす昼寝を行わない手はないでしょう。
しかし、闇雲にただ寝ればいいというものではありません。
最高の昼寝には、守るべきポイントがあります。
ポイント1:昼寝と睡眠は違う
ベットに入ってから1時間しないと寝られないという不眠の方にとって、「昼寝なんて寝る前に休み時間が終わる」と考えている人もいるのではないでしょうか?
しかし、昼寝の時に寝入る必要はありません。
むしろ、寝入ってはいけません!
昼寝のコツは脳を休ませ、リフレッシュさせることに真価があります。
ただ眼をつぶり、頭をからっぽにするだけでも効果はあります。
ポイント2:水分補給を忘れない
脱水症状を起こしていると疲労を感じやすくなります。
それではせっかくの昼寝の効果が半減してしまうので、しっかりと水分補給を行いましょう。
ポイント3:時間は10分~20分
時間が短すぎては効果がありません。
逆に長すぎても脳が目覚めるまでに時間がかかり過ぎて、効率的ではありません。
効果が表れるのは、昼寝の時間が10分を過ぎたあたりから。
また30分を超えると、脳はレム睡眠に入り覚醒に時間がかかります。
ポイント4:昼寝前に1杯のコーヒーを飲む
カフェインを摂取すると目が覚めるのではないかという意見もあると思います。
しかし、カフェインを摂取し、その効果が表れるまでに、約20分~30分の時間が必要と言われています。
それはちょうど目覚めるタイミングと重なりますので、1杯のコーヒーがすっきりとした目覚めを約束してくれます。
ポイント5:場所はデスクの上で十分
もちろん横になっても良いのですが、会社や学校でなかなか横になれるスペースを確保するのは難しいでしょう。
それに本当に疲れている時はそのまま熟睡する危険もあります。
デスクに突っ伏して昼寝をする事で疲れないかと心配になるかもしれません。
しかし20分程度の短い時間であれば、多少不自然な格好でも問題なく昼寝の効果を得ることが出来ます。
効果的な昼寝で午後を乗り切りましょう
いかがでしたでしょうか?
昼寝はたった20分間、目をつぶるだけで、午後からの活力を取り戻せる最も簡単な方法。
もう知ってるよ、という方もきっと多いでしょう。
でも、もしまだ昼寝の効果を実感していないのなら、ぜひ一度試しみてはいかがでしょうか。