光と睡眠の深い関係
「夜なかなか寝つけない・・・」「朝起きてからしばらくは頭がボーっとしている」「寝た気がしない」そんな悩みを一度は経験したことがあると思います。毎朝カーテンも開けずに支度をして、急いでオフィスに向かっていませんか?夜、こうこうとした照明の下で過ごしていませんか?
じつは、光りというのは私たちの睡眠にとても大きな影響を与えているのです。光の影響によって、脳内でメラトニンという睡眠ホルモンが、大きな変化を起こしているのです。ここでは睡眠ホルモン”メラトニン”を利用してぐっすり眠る方法をご紹介します。
眠れるのはメラトニンのおかげ
メラトニンとは?
メラトニンとは脳の松果体という部位から分泌される脳内ホルモンの一つです。メラトニンが分泌されることによって睡眠が誘発されるので、睡眠ホルモンと呼ばれています。
海外では時差ボケの治療や入眠をスムーズにするためのサプリメントとして販売されています。海外によく行くかたは、見かけたことがあるという人もいらっしゃるのではないでしょうか。
メラトニンは睡眠を誘発する作用の他にも、抗酸化作用や抗がん作用があるともいわれています。
おじいちゃん、おばあちゃんは、よく太陽が昇る前から起きて一日の活動をスタートさせています。それはただ単に早起きが好きな人だから、というわけではありません。メラトニンは幼児期にたくさん分泌され、年齢とともに分泌量は減っていきます。歳を取ると早起きになったり、夜に何度も目が覚めてしまったりするのは、メラトニンの分泌量の減少が関係しているのです。
メラトニンの性質
メラトニンは光を浴びることで分泌が減少し、暗くなると増加する性質があります。
朝、日光をしっかりと浴びることでメラトニンの分泌はストップし、脳をスッキリ目覚めさせます。スッキリ目覚めることで体内時計もしっかりリセットされるのです。
また、メラトニンは分泌が止まってから15時間前後で、再び分泌が始まるというリズムがあります。部屋に引きこもりがちだったり、勤務時間が不規則だったりする人は光を浴びる時間がなくて、メラトニンの分泌がうまくいかずに、不眠や体内時計の狂いから体調をくずす人が多いです。
起床後のすごし方
起きたらまず、メラトニンの分泌をストップさせましょう!体内時計は光を浴びて目覚めた時からスタートします。朝起きたらすぐにカーテンを開けて日光を浴びましょう。寝る前にカーテンを少し開けておくのも手です。
二度寝が癖になっているずぼらな人も、とりあえずカーテンを開けてから再度ベッドに入るようにするといいでしょう。二度寝してしまっても体に光を浴びせることでメラトニンの分泌が止まり体内時計もリセットされます。 朝食は窓際でとるのがいいでしょう。たまには外のカフェでゆっくり朝食というのもいいですね。
そんな時間がない!という人も、通勤途中、電車内から外を眺めたり、オフィスに着いてからお茶を飲みながら外を見るなど、意識して目に光を入れるだけでも十分ですので試してみてください。
どんより曇り空や雨模様でも体内時計をリセットしてくれるだけの光は届いています。窓際に立ってしっかりと光を浴びましょう。
就寝前の過ごし方
暗くなるとメラトニンの分泌が増加します。就寝前にはできるだけ照明を落としておきましょう。就寝1~2時間前には暖色系の光や間接照明にするのがおすすめです。
そして照明をすべて消すか、シーリングライトの豆電球くらいにして眠りましょう。明かりをつけたまま眠るとメラトニンの分泌が抑えられてしまい、翌朝疲れが残ったまま目覚めることになってしまいます。
また、部屋の照明を暗くしても携帯やパソコンの青白い光は強力です。メラトニンの分泌をおさえてしまいますので、寝る前に携帯の画面やパソコンを見るとなかなか眠れなくなっていまいますので注意が必要です。
メラトニンを増やす
メラトニンの分泌を増やすためには、トリプトファンという必須アミノ酸が必要です。トリプトファンからセロトニンという神経伝達物質が作られ、セロトニンがメラトニンの分泌を助ける働きをします。
トリプトファンは、体内で自然に生成されるわけではありません。トリプトファンを作るには、タンパク質を摂取する必要があります。大豆や肉などを意識して食べるようにしましょう。牛乳にはトリプトファンがたくさん含まれていますので、寝る前にホットミルクを飲むのも効果的です。
メラトニンをコントロールして良い睡眠を
睡眠は、日々の健康的な生活を送るためにとても大切なものです。睡眠の質が落ちると、体は十分な休息がとれずに抵抗力が落ちます。風邪もひきやすくなりますし、重い病気につながることもあります。メラトニンをうまくコントロールして質の高い睡眠を手に入れましょう!