夜間の睡眠に匹敵する? 昼寝で能力アップを図ろう
昼ご飯を食べた後は、血液が胃腸に集まるためか猛烈な眠気を感じてしまうことがあるものです。
目がシバシバしてまぶたが自然に落ちてくるし、頭にもやがかかったようにぼんやりして考え事もスムーズにいかなくなってしまいます。
こうなってしまうと集中力が乏しくなって、仕事や勉強はミスを連発するし内容も頭に入っていきません。
けだるい午後に起こる眠気は、昼寝を上手に使って追い出すのが効果的なのです。
昼寝は脳を活性化させる
昼寝をすることは怠け癖が出ているように見られがちですが、身体と脳を休ませるにはこれ以上ない程の効果を発揮してくれます。
カルフォルニア大学サンディエゴ校の研究では、昼寝と夜間睡眠の効果を比較したところ「1時間半の昼寝=一晩分の睡眠」になるという結果が報告されています。
コーヒーやガムで眠気を追い払って気合で勉強や仕事をするよりも、身体の欲求に素直に応えて短時間でも昼寝をした方が身体と頭の疲れが抜けてすっきりするということなのです。
スペインのシエスタは廃れつつある
昼寝の効能の話をすると、大抵俎上に挙がってくるのがスペインのシエスタです。
シエスタは昼正午から午後4時の昼間の時間帯に2時間程度の昼寝を行うというものです。
このため、スペインの店や役所は午後1時~3時の間は休業状態になっているといわれるほどです。
しかし、最近はシエスタ習慣の無い他の国に合わせようとする動きがあり、2006年からは公務員のシエスタ休憩が廃止されたのを皮切りに、個人店舗や企業でのシエスタ休憩は廃れつつあるのです。
寝すぎは逆に脳を鈍らせる
昼寝は夜に寝るのと同じくらい心身のリフレッシュ効果があるといえますが、長く眠れば眠るほど効果が上がるわけではありません。
前述したカルフォルニア大の研究では「1時間半の昼寝=一晩分の睡眠」となっていますが、正直な話をすれば1時間半の昼寝は寝すぎの部類に入ります。
昼寝は本来頭も身体も起きている時間に寝ることなので、寝すぎると生活リズムが崩れてしまい昼寝から起きても身体は「まだ夜だ」と勘違いしてしまうのです。
昼寝の効果を引き出すならパワーナップが一番
午後からの仕事や授業のために昼寝をするのであれば、「パワーナップ」が一番効果的です。
パワーナップとは15分から30分程度の昼寝をすることで、脳と体を休ませて活力を回復させるのが狙いです。
パワーナップの利点は、昼の休憩時間を利用して行えるということ、そして午後からの仕事や授業に回すための力を蓄えられるということです。
そして、30分以内という短時間で行えるので、寝すぎによる弊害を受けなくていいというのも大きなメリットです。
欧米ではパワーナップを導入する企業も増えており、休む暇もないくらいに忙しいエグゼクティブに広まりつつあります。
日本でも、さいたま市のリフォーム会社がパワーナップ制度を導入したことが一時期話題になっているのを、覚えている人もいるかもしれません。
短時間でも効率よく昼寝すれば、頭も身体もすっきりとして、再び仕事や授業に集中する力が湧いてくるのです。