頭も体もしゃっきりする睡眠のベスト時間
眠るということは、頭と身体の機能を一時的に停滞させてしまう行為とも言えます。
完全に停止するというわけではありませんが、機能が滞るわけですから睡眠時間が長ければ長いほど、頭と身体の調子が完全に戻るまで時間が掛かってしまいます。
逆に睡眠時間が短ければ短いほど、頭にはガンガンする感じが残って、身体には軋むような関節痛が起こります。
では、頭にも身体にも痛みや不快感を残さない睡眠時間はどの程度の長さになるのでしょうか?
「8時間睡眠」は寝すぎかも?
一般には「8時間睡眠」と言われるように、一日8時間寝るのが健康的と考えられています。
要するに8時間寝て、8時間働くか学校に通って、8時間を自由時間や家族との時間に充てるという考え方です。
一日24時間を綺麗に三分割出来るので、このくらいの長さが良いと考えられているといえますが、正直な話をすれば、8時間も寝ると、目覚めても頭と身体に寝ぼけた感じが残ってあまり気持ちよくないものです。
人によっては8時間睡眠を完遂する前に自然に目が覚めてしまうかもしれません。
6時間未満睡眠と8時間以上睡眠は寿命を縮める
アメリカで発表された研究では、100万人以上の対象者から取った統計によると、一番寿命が長かったのは6時間半から7時間半の睡眠時間を取っている人で、6時間未満の睡眠時間を取っている人、8時間以上の睡眠時間を取っている人と続いています。
寝不足は頭と身体の疲れの解消を阻害し、うつ病を引き起こす原因にもなりますが、寝すぎの方が身体に良くないのは意外かもしれません。
寝すぎが身体に悪い原因は未だに特定できていません。
寝すぎが生活リズムを崩していて体調を悪くしているのか、寝すぎで食事のタイミングがずれて過食などの原因になっているのか、何らかの疾患を患っているのか、考えられる原因はいくつかありますがどれも決定的とは言えません。
このように、長生きに繋がる理想的な睡眠時間の長さは、6時間半から7時間半の間であるといえます。
睡眠時間の長さより睡眠のゴールデンタイムを物にしろ
睡眠の効果を最大限に引き出すには、睡眠時間を長く取るのではなく、身体の新陳代謝が活発になる「睡眠のゴールデンタイム」を逃さずに眠ることです。
ゴールデンタイム中は、身体の細胞の新生を促す成長ホルモンの分泌や若返りに関わるサーチュイン遺伝子の活動が活発になるといわれているのです。
肝心要の「睡眠のゴールデンタイム」は午後10時から午前2時の4時間。
つまり、早寝早起きをしっかり実行すればゴールデンタイム中に睡眠が取れて、眠りの質を高めることが出来るというわけです。
眠りが深ければ睡眠時間の長さは関係ない
眠りの質を決定するのはゴールデンタイムだけではありません、「眠りの深さ」もです。
極度の疲労に襲われていたり、深酒したりしているとちょっとのつもりで横になったと思ったら朝になっていた、というのは良くある話です。
「寝ていた」という意識も残らないくらいに深く寝ると、短時間でも頭がすっきりしているものです。
そこまでの深い眠りに入るのは簡単なことではありませんが、眠りが深くなるように身体や布団を温めるなどの工夫を行えば眠りの質は向上します。